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文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 29

平成26年7月1日~8月21日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。(画廊展はほぼ3件に1件の割合で、これは! というもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日)。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成26年5月8日~6月30日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 28 にあります。
このひとつ後の 平成26年8月22日~9月30日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 30 にあります


260821 山本竜基(りゅうき)展  (~8/30) @ Mizuma Art Gallery (市谷田町)
(学生服男たちが佛教キャラとなって浮遊する大作2点と、お手頃な小品が10点ほど。奥の小部屋(畳の間の向かい)がアトリエの作業机のように設えられていた。)

260819 Opposite eico wada×望月宗生 (~8/24) @ The Art Complex Center of Tokyo, ACT 4 (大京町)
(望月宗生さんのシャープペンシルによる精密写実の女性たちの絵。手元に余裕があれば3枚買いたかった。ぼくが愛を交わしたことのある女性そのままの絵もあった。だったら絵を買えよ! と言われそうだけど。いっぽう eico wada さんは、切り絵のような太い輪郭で、花札モチーフのシリーズなど。)

260819 美樂舎 第23回マイ・コレクション展 (~8/24) @ The Art Complex Center of Tokyo, ACT 5 (大京町)
(ミヅマアートギャラリーの理不尽な介入で、トラブル回避のため取り急ぎ説明コメントを貼りかえるべく再訪。ことの顛末をブログに書いたら大反響あり。)

260819 『ハート・トゥ・アート』企画 驚喜嵐舞!! 真夏の銀座に踊り咲く まんまるくん数千余体 (~8/30) @ ギャラリー K392 (京橋三丁目)
(Kisai こと如月 愛さんが、画廊スペースの壁面、天井、床に、まんまるくんキャラを描き続けるという企画ですが、8/4 に始まったにしては進捗が遅いかな? 追い込みの頑張りが期待されます。)

260819 上浦 舞(うえうら・まい)展 (~8/24) @ Oギャラリー (銀座一丁目)
(暗黒童夢に浮かび上がるリアルな赤ん坊。鮮烈な色づかいと凄みある構成。昭和55年生まれ、大阪教育大 院修了。)

260818 美樂舎 第23回マイ・コレクション展 (~8/24) @ The Art Complex Center of Tokyo, ACT 5 (大京町)
(わたしは台湾の Natako Oo さんの「少女恋物」2連作を展示。会田誠さん「犬 雪月花」3連作を画集から縮小カラーコピーして参考資料としてNatako 作品の下に掲示したら、翌日に想定外の展開。)

260815 丸山敬太20周年祭 「丸山景観」全集大成展 (~8/17) @ 表参道ヒルズ本館B3F (神宮前四丁目)
(宇野亞喜良さんデザインのプリント生地が垂らしてあった。亞喜良プリントの中国服も。これらがいちばんアートだったな。浜崎あゆみさんやドリカムの紅白出場衣装など一点もので、史料価値があるね。テキスタイルの魅力を、一点ものか量産ものかで判断を変えるべきかどうかという根源的自問をした。同じフロアのドイツ料理の濃厚ビール、果実味の豚角煮、バジル味の水団パスタ、いずれも美味。)

260815 清里フォトアートミュージアム K*KoPA 開館20周年記念 原点を、永遠に。 世界の若い写真家の情熱を未来に伝える“ヤング・ポートフォリオ”20年の軌跡 (~8/24) @ 東京都写真美術館・地下1階展示室 (三田一丁目)
(34ヶ国、198名の522点の多様な写真。楽しめました! 入場料無料なのにたくさん配布資料をもらってしまった。)

260815 フィオナ・タン|まなざしの詩学 Fiona Tan: Terminology (~9/23) @ 東京都写真美術館・2階展示室 (三田一丁目)
(赤い提灯を設えた支那風の我楽多宝室をゆっくり手前に引きながら撮ったビデオを、床のクッションに横たわりながら観る。昭和41年スマトラ島生まれ、印尼華僑の父と豪州人の母。いまはアムステルダムを拠点に活動。1階ホールの映像作品も、改めて観に行かねばね。)

260815 岡村昭彦の写真 生きること死ぬことのすべて Photographs by Akihiko Okamura: all about life and death (~9/23) @ 東京都写真美術館・3階展示室 (三田一丁目)
(熱い時代からベトナムの風が吹いてくる、真夏の写真展。岡村昭彦さんは、さわやかな笑顔の小太りの男。昭和4年に海軍大佐の長男として生まれ、昭和60年に56歳で敗血症で逝く。まだまだすごい瞬間が昭彦さんを待っていたはずなのにと思うと、目頭が熱くなる。)

260813 立澤香織 elegant girls (~8/31) @ restaurant plate tokyo (西麻布一丁目)
(1階と地下に、全部で7点。うち80号のは立澤さん初トライのサイズ。店のオーナーの猪飼綾乃さんが快いハイテンションで、「鰻の塩焼きとトリュフのリゾット」もワイルドでおいしかった。イスラエルの白ワインもいただきました。)

260813 綿引明浩展 さかさまの絵画 Illusion in the Masterpiece (~8/14) @ Bunkamura Box Gallery (道玄坂四丁目)
(綿引さんの“キャスト”と呼ばれるキャラたちが泰西名画の中に入り込んで旅をする。ガラス絵を組み合わせることで、3層にわたる立体画面を作っている。個展の英文名は ...Masterpieces と複数形にしてほしいところ。)

260813 人形偏愛主義 ヒトガタへの受胎告知 (~8/17) @ Bunkamura Gallery (道玄坂四丁目)
(亀井潤「根来管人魚」が欲しくなった。薄荷緑の液を満たした試験管に古風な紅の和装束の人魚がいて、こちら向きに目をつむっている。それが綿をつめた小さな木箱に収めてある。自室で、この木箱の蓋を開ける瞬間って、めくるめく快感だろうな。矢沢俊吾 “A Miracle of Bio Resurrection” は、うっとりとした全裸の女性が今しも実験台のロボットアームで創り出されたようす。甲秀樹「老王」はリア王の謂いか、華麗な王装束だが下は哀しくもデカい男根が垂れる。)

260811 Still Life 展 ―ジョルジョ・モランディに捧ぐ― (~8/24) @ カッシーナ・イクスシー(Cassina ixc.)青山本店 (南青山二丁目)
(幕内政治(まさはる)さんに案内をもらったので行った。想像を超えてリッチな家具屋さん、いやインテリア店にて、ベッドやソファのしつらえにマッチした絵を展示販売。松川朋奈さんが3点、そのうちチョコアイスクリームの食べあとの器の絵が、雰囲気にはまっていて納得。菅野由美子さんの器ものの丹念な静物油画や、城田圭介さんの油画と写真を切れ目なく融合させた静物画もいい。最上階の3階では Giorgio Morandi の壜や陶をモチーフにした絵から作り起こした美しい壜や、浮須恵(うきす・めぐみ)さんが本展のために制作したリトグラフを展示。1階、2階とゆっくり見て、閉店まぎわに3階があることに気がつき、あたふたした。3階奥の V.クリストのコラージュ “Wrapped Computer” がオフィス向けアートのおもしろい提案になっていた。本棚に Marlene Dumas の画集(Phaidon 刊)あり。)

260808 現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより Guess What? Hardcore Contemporary Art's Truly a World Treasure: Selected Works from the YAGEO Foundation Collection (~8/24) @ 東京国立近代美術館 (北の丸公園)
(展示替えもなく、すでに1度心ゆくまで観たのに再訪するのは稀。その価値ありの展覧会だ。ラッキーなことに、企画構成担当の学藝員・保坂健二朗さんが70分にわたりギャラリー・トークをしてくれた。)

260808 “エチュード” 駒井哲郎+山中現 新作展 (~8/9) @ 不忍画廊 (日本橋四丁目)
(駒井哲郎のシャープな昭和34年作品「エチュード」を軸に、駒井に酒席で「現」という名を褒められたのが唯一の駒井体験でありつつ師と仰ぎみる山中現さんの木版画、ガラス絵等。木版画の色がしみじみ良くて、岡野 博さんの色づかいを思った。)

260808 5 elements vol.3 (~8/12) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊
(昭和20~30年生まれの5人展。うち、松倉茂比古さんの石の建物群の連作、山内和則さんの vivid な色彩を塗り重ねた黄昏のパリ連作が好き。)

260808 纜(ともづな) (~8/12) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊
(多摩美日本画出身の6人展。うち、松谷千夏子さんが花火と題して5点。今回はちょっと色気が足りないけど、打ち上げ花火の火の輝きの垂らせ方はさすが。)

260808 吉賀 伸 展 −Unformed Senses− (~8/18) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊X 
(入道雲を白い陶で、炎を銀色の陶で見せる。悪いけど、ごくごく貧しいホンモノの雲や炎を見てるほうが楽しいんだけど。……こういう反応って、顰蹙ものなんだろうけどね。)

260807 アニマル擬人展 ~現代の作家による鳥獣戯画的世界~ (~8/10) @ Dorado Gallery (早稲田鶴巻町)
(久しぶりに来たら、ショップに小原聖史主宰の絵がだいぶ増えていた。経歴不詳だが実力のある Miiko さんの "Nature Girl" を購入(dek mil)。破格の安値だったが、応援してあげたい。ヌードを注文しようかしらん。)

260807 鹿島幸恵(さちえ)・後藤友香(ゆか)二人展 自由無碍 Freedom (~8/10) @ hiromart gallery tokyo (関口一丁目)
(鹿島さんは昭和54年生まれ、後藤さんは昭和53年生まれ、ともに武蔵美油絵卒。昭和前期シュールの雰囲気を醸す色調の鹿島さんの「雨の中、道行き」「旅立ち」。あっけらかんとした原色多用の後藤さんの「パダミャメッシン」「深夜集会」。値札を見れば、4点買ってもいいなと思った。ごめん!)

260807 サラリーマン・コレクター山本冬彦のまなざし ~36年間のコレクションをめぐって (~10/10) @ 日本経済新聞社東京本社2階 Space NIO アートギャラリー (大手町一丁目)
(20数点、初見のもの多し。山城有未さん「ごっこ遊び」が、冬彦さん指摘のとおりバルテュスふう。草間彌生「カボチャ」版画の掛軸が新鮮だった。ある表具屋さんが自分で買ったのを趣味で軸装したらしい。非絵画の富田菜摘作品と山崎龍一作品も、いいアクセントになっていた。展示場のガラスに内側から多数の手垢あり。いかんな。)

260807 沈輝(しん・き)写真展 棚田の民 (~8/12) @ 銀座ニコンサロン (銀座七丁目)
(貴州省南端、標高千米の山々に囲まれた苗(ミャオ)人の集落。1500人、220世帯の加車村の農の風景だ。昭和33年上海生まれ、平成4年来日、東村山市在住の沈輝さんは平成23年秋から10回も滞在して撮影を続けた。なお、沈輝は会場では「シェンフォイ」とルビ。)

260806 JR (~8/25) @ 8/Art Gallery/Tomio Koyama Gallery (渋谷二丁目)
(昭和58年、パリ生まれ。(ときには崩おれた)建物の壁に巨大な人の顔(の一部)を貼って存在を主張させたところでこれを写真に撮る。本展はそのリトグラフ作品。)

260806 加山又造版画展 (~8/8) @ HFG Hide Fukasaku Gallery (銀座五丁目)
(レストラン併設の画廊。財をなした医師の贅沢の形だが、社会に開かれた姿勢は立派というべき。加山又造版画全158点を収めたカタログレゾネと実物を比べる楽しみも。)

260806 未来展 美大の競演 (~8/11) @ 日動画廊 (銀座五丁目)
(ここで絵を買ったことのない自分が悪いのだけど、日動画廊は上から目線のおじさんたちに毎度ギロリとにらまれ不愉快な場所である。1枚100万円の絵を見せていただく分には我慢もやむなしだが、日ごろ腰の低い画廊で見ている若い人たちの作品をわざわざ日動で見るのは3千円の牛丼って感じなんだな。それはさておき、前から注目している青木香保里さんの、水母と花瓣の境目をたゆたう「境界IX」に注目した。女子美の長尾有香さんの、軍鶏4羽を抱く女の絵も、ややありふれているが、いい。グランプリは町田結香さん、目と目に幅のある女の子キャラの絵で、奈良美智さんふうだね。柿沼宏樹さんが画面に「日吉湯」といった有意文字を使いすぎなのは、スランプの表れか。)

260805 人造乙女博覧会VI (~8/23) @ ヴァニラ画廊 (銀座八丁目)
(憂いも垣間見えるリアルな美女人形。目と目がぴったり合う角度と距離があって、そこから眺めるとゾクッとくる。平成18年までの人形はマネキン人形の延長だったが、翌19年から造形師さんが変わったのか、がぜんリアだ。とうてい自宅には置かせてもらえないが、仮に買ったとしたら彼女(たち)に着せる服も買い始めて、とんでもないことになりそう。本展は18禁ですが、画廊で乙女のパンティの中は公開しておりません。)

260805 ワンピース倶楽部展 vol.7 「はじめてかもしれない」 (~8/5) @ アーツ千代田3331 (外神田六丁目)
(全73点。作家・作品名に加えて購入場所・購入理由を明示してあるのがいい (今回、出展者名は出さず)。作品リストのプリントあり。作家の作品ファイルも多数。いちいち、美樂舎マイコレ展も見習うべき点。荒井美波「行為の軌跡シリーズより谷崎潤一郎『痴人の愛』」がいい。谷崎の原稿の文字を針金で立体模写した。荒井美波さんは武蔵美視覚伝達デザイン卒。)

260804 (常設展) @ 村上画廊 (京橋三丁目)
(山本至の木口木版 “Fishburger” を購入(dudek nau mil)。ブリューゲルのような蠱惑の魚とバーガー用のパンという取合せにビビッときた。村上画廊は掘出し物がいろいろありそうで、お付合いしたい画廊だが、作品を買ったのは初めて。)

260804 伊東槃特(はんどく)ドローイング 版画展 (~8/9) @ KEY gallery (京橋三丁目)
(鮮烈な色彩コントラストと数字の羅列で独自の世界を作った版画と、立体コラージュ。昭和23年生まれ、東京造形大グラフィックデザイン卒。)

260804 女流作家展 vol.2 (~8/9) @ アートスペース羅針盤 (京橋三丁目)
(13人展。羅針盤らしく一定レベルをキープ。くっきりした装飾意匠の枠に金魚を描く大源麻友さん、昭和60年生まれ、京都嵯峨藝大 院修了。)

260804 相場るい児(あいば・るいじ)陶展 『和華蘭 ―WaKaRan―』 (~8/5) @ 銀座三越8階ギャラリー (銀座四丁目)
(相場さんの怪異な「白沢(はくたく)茶碗」を以前15万円で購入して持っている。いずれもっとコレクションしたい作家。今回の目玉の「三頭六体」は、支那の騙し絵を立体版にしたもの。ベロや目玉が動く怪異な根付も多く出品。値付けも低めで、買い得だなぁと思いつつ失礼した。)

260804 サマーフェスタ2014 (~8/11) @ ギャラリー枝香庵 (銀座三丁目)
(外田千賀さんも3点。うち、背後に存分にストーリーがありそうな色鉛筆のヌード「絢爛夜話」を購入。)

260802 生島国宜展|Ixima Kuniyosi (~8/9) @ ミヤケファインアート (清澄一丁目)
(17万円の男の顔の絵だが、買おうかと迷った。最近ディオールから仕事をもらったというから、ひょっとしたらアンディ・ウォーホルみたいにブレークしちゃうんじゃないの? 塗りのセンス、色のセンス、過去ファイルを見ても安定して良い味だ。昭和55年生まれ、武蔵美油絵卒。)

260802 近藤亜樹 Works on paper 2011-2014 (~8/2) @ ShugoArts (清澄一丁目)
(紙袋に描いた色彩豊かなドローイングで3面の壁を埋めた。描いたときは公開を想定していなかったというが、プリミティブアートっぽいが宗教的昇華が感じられる作品群は普遍的価値に達している。大柄な油画作品も何点か。昭和62年生まれ、東北藝工大実験藝術 院修了。)

260802 Introduction of Contemporary Asia II Entang Wiharso|Second Homeland (~8/9) @ hiromiyoshii tokyo (清澄一丁目)
(インドネシアの作家の金属レリーフ。現代人と神話上の存在者が境目なく同居するプリミティヴ・アート。)

260802 (6階の常設展) @ Tomio Koyama Gallery (清澄一丁目)
(7階は展示替え中だった。6階のスペースに佐藤翠(みどり)さん「ガラス棚II」、綿布上のアクリル絵具のにじみと撥(はじ)きをうまく使い、ピンク系と黒の色づかいも絶品。山本桂輔さんの4本脚の木製の赤いインスタレーションも気になる。)

260802 町田久美 銅版画展 vol.2 (~8/9) @ Kido Press, Inc. (清澄一丁目)
(特徴的な、ぷくぷくした手指も、その描線はさらっと一筆で描いたものではなく、ゆっくり丹念に何度も描き重ねた結果なのだという解説を読んで実作品を見ると、1本1本の描線がいとおしくなってくる。)

260801 特別展 台北 国立故宮博物院 神品至宝 (~9/15) @ 東京国立博物館 平成館
(前半は書が多く、かなり地味でした。)

260801 ASK? 映像祭2014 (~8/3) @ art space kimura ASK? (京橋三丁目)
(ほんとはもっと観ていたかったけど、昼休みの30分ほど、客はぼく1人だった。ちなみに入場料500円、これが響いた? 平成26年度の受賞作品から、さとうちひろ「さとうのちひろ ブラック」、円香 “GYRO”、冠木(かぶき)佐和子「肛門的重苦」など。)

260801 バルテュス 最後の写真 ― 密室の対話 (~9/7) @ 三菱一号館美術館 歴史資料室 (丸の内二丁目)
(少女アンナ・ワーリのポラロイド写真。彼女がモーツァルトをハミングしていたのが気に入り、バルテュスは8歳から16歳まで毎水曜午後に彼女に来てもらいモデルにする。すでに指の力が衰えていたバルテュスは、彼女をポラロイドカメラで撮影する。アンナ・ワーリは後日「祖父であり親友であるような」親しみを語っている。)

260731 ルーツ of Kawaii 『内藤ルネ展』 ―時代と少女たち― (~8/6) @ Bunkamura Gallery (道玄坂二丁目)
(目のくっきりしたDMの美少女を見て、エイトマンの関さち子を思ったが、むろん内藤ルネさんが元祖である。スパンアートギャラリー企画の展覧会だが、内藤ルネ作品そのものは数が少なく貴重で非売品。グッズ販売に力が入っていて、ぼくも缶バッジのセットを買った。『それいゆ』は知っていたが、『ジュニアそれいゆ』という姉妹誌もあったことを知り、びっくり。)

260730 海野(うんの)良太 展 (~8/4) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目)
(カラフルな漫画絵。修行を積んで久里洋二さんみたいになれるといいね。さて、以前に あごぱん さんに注文していた「文字なしの作品」を受領(tridek ses mil + i)。やれば出来るじゃないの!)

260729 新世代への視点2014 佐竹真紀子展 (~8/2) @ ギャルリー東京ユマニテ (京橋二丁目)
(多層に塗り重ねたアクリル絵具を彫刻刀で彫り削って装飾意匠を浮かび上がらせる作家は何人もいるが、佐竹さんは樹脂で固めた衣服や、神棚や、はては棺桶までも自らの舞台にしてしまった。棺桶はホンモノを買おうとしたが人死にがないと売ってくれぬ由で、実物大の棺桶を木材で作るところから始めた由。)

260729 桑原聖美(くわはら・さとみ)日本画展 ―ひかりかがやくもの― (~8/8) @ あらかわ画廊 (京橋二丁目)
(あらかわ画廊は、オーナーの「あんたの来るところじゃないわよ」目線がイヤで、ギャルリー東京ユマニテに行くときも寄らないのだが、桑原聖美展だけは見なければ! 画廊に入ったら、きょうのオーナーはテンションが高い。やっぱりソリが合わないね。桑原作品は、菩薩さまのようなふくよかな美人画。使う色をあえて伝統色に絞り込むことで、古風な味わいが出る。画廊奥の10万円台の掛軸が絶品で、売約済でなければ買っていたろう。作家が記名帳でぼくの名を見てとても喜んでくれた。桑原作品、いつか買います。)

260724 3331 Art Fair recommended artists: ”Glittering” #24 宮川ひかる (~8/9) @ 3331 Gallery (外神田六丁目)
(DM の写真作品は足爪のネイルアートが見せ所なのでしょうが、素足フェチのぼくとしては、すなおに素足のきれいさに見とれてしまったのですね。これもネイルアートが素足をより純粋に美しく見せたからでしょうか。昭和51年生まれ、グルノーブル美大卒、ジュネーヴ美大 院修了。)

260724 Field of Now 展 (~7/31) @ 飯田美術 (銀座七丁目)
(飯田美術はオーナーが ねちっと上から目線で、イヤな画廊である。本展がどうしても見たくて、同画廊の移転後はじめて来てみた。森天飛さんの描く幻想写実のヌード。大橋周平さん描く妖艶な強い女性。その他、作家の幅を広げようとしたのか、飯田美術の柄にもなく写実から縁遠い若手の作品も。しかしながらオーナーの客への上から目線は相変わらずだ。やはりもう来まい。)

260723 大竹夏紀個展7 (~8/2) @ Gallery b. Tokyo (京橋三丁目)
(女の子の理想像を蝋纈染めで染色した絵画。いちだんと進化している。手ごろサイズのパネルに貼ったりアクリル額装したものは完売。壁いっぱいに繰り広げる大作は売れにくいけれど、美術館に進出するにはそういう大物もコンスタントに出していくことが必要だね。今回の新機軸は OHP シートにプリントして切り抜いた、吊らし飾り型の美女や蝶々。)

260723 上杉 尚(たかし)展 (~7/24) @ ぎゃらりぃ朋 (銀座一丁目)
(ニューヨークで女性の半身像を水彩や木炭で描く。美人というより、でっぷりしてても凛と生きているから美しい、そういう女性たちだ。彫塑は、粘土原型から型をとり布と樹脂による造形。布がいい味を増し加えている。昭和30年生まれ、東京藝大油画 院修了、平成17年に渡米。ニューヨークで会ったという明るい女性が話し込んでいた。こういう還暦はカッコいい。)

260722 Secret Mode たま個展 ―少女主義的水彩画集IV出版記念― (~8/2) @ ヴァニラ画廊 (銀座八丁目)
(透明水彩絵具でうつくしい色。たまさんの作風だと、道具立てのてんこ盛り(=描きすぎ)はあまり気にならないのだけど、売れ方を見るとやはり「汚い」「痛い」で現代アート性を主張した作品よりも素直にきれいな作品が売れている。そういう、ぼくがいざ買おうと思うような作品の比率は、全体の2割弱ですね。)

260720 レイモン・サヴィニャック展 パリの街が愛したポスター (~7/21) @ Bunkamura Box Gallery (道玄坂二丁目)
(値の張る原画や版下もしっかり何点か展示してある。経歴を読むと意外にも必ずしも順風満帆ではない人生だったと知って、まとまった作品集を買ってみたくなった。平成14年に94歳で亡くなった長寿のひとだ。)

260720 特別展 江戸妖怪大図鑑 第1部 化け物 (~7/27 第2部 ~8/26 第3部 ~9/25) @ 太田記念美術館 (神宮前一丁目)
(20年ぶりか、久々に太田記念美術館に来た。最近の明るい LED 照明による浮世絵展に慣れたせいか、ひと昔前の蛍光灯照明の当館が随分暗く感じられる。親しみやすいテーマのせいで、人出がすごい。料金を900円から1,100円に上げればよかった。それにしても浮世絵は奥が深い。こんな作品があったか! と本展も驚き随所で。)

260717 佐々木伸佳 櫻木綾子 二人展 (~7/22) @ 日本橋高島屋6階 美術工藝サロン (日本橋二丁目)
(佐々木さんのガラス工藝は、飴色を生かした円柱オブジェや香水瓶がおもしろい。櫻木さんの磁器は、白い厚塗り絵具の立体絵画だ。)

260717 第9回 前田寛治大賞展 (~7/22) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊 (日本橋二丁目)
(VOCA展と日展を足して割ったような。中尾直貴さんが描くユニセックスな後姿ヌード。鶴友那さんの和のオフィーリアは蕗や蔦、彼岸花が飾る。唐仁原希さんの木馬のナポレオン。卯野和宏さん描くすがすがしい女性の後姿は野の風が吹き抜ける。目黒礼子さん「実験室」は骸骨が動きだす。馬場洋さんはダリの砂漠に自身のハイパーリアルを持ち込んだ。益村千鶴さん、手と足の超写実。渡抜亮さん、女性の顔にうつくしい自然光を当てた。以上は1972年~1987年生まれの皆さん。)

260717 松山 賢 カラー・ミー・ポップ (~8/4) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊X (日本橋二丁目)
(松山賢さんの描く、ぞくぞくッのポップなヌード、ぜひ買いたいと思っている。今回は「絵の具の絵」「写真の絵」シリーズなど純粋アートで勝負の個展。)

260717 アナクロニズム・エロス (~7/19) @ スパンアートギャラリー (銀座二丁目)
(氏賀Y太・榎本由美・駕籠真太郎・服部ミツカ・春川ナミオ・堀骨砕三・村田兼一・森園みるくの皆さん。)

260717 アートと歩く 鈴木千恵の下駄 展 (~7/19) @ ギャラリー アートもりもと (銀座三丁目)
(下駄といってもゴム底なので、カランカランと耳障りな音がしない。そういえば花火大会の浴衣姿の人たちも歩きが静かだよね。初めて気がつきました。で、鈴木千恵さんの塗りは、半透明の中間色を使った落ち着きある色調。デザインも Kawaii 伝統モダンと申しましょうか。鼻緒と組み合わせるとまた違う顔になるところも魅力。下駄文化の豊かさに開眼させられた。)

260716 納涼 肉筆浮世絵展 (~7/19) @ 羽黒洞 (湯島四丁目)
(「納涼」なので、怖い特集かと思いましたが、夏らしい風情でした。)

260715 立澤香織 個展 「女の子ってこういうものよ」 (~7/20) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT 3 (大京町)
(今回も実験作、問題作がいろいろと。和服ストリップ3点セットから 「更衣後」 を購入 (tridek mil + i)。式田さんが、3点まとめて買えと勧めるけど。)

260714 冬室昌宏展 「季節と出逢って」 (~7/19) @ K's Gallery (京橋三丁目)
(うちにも飾れそうな、さわやかな色と流れのある抽象画。多摩美油画 院修了。)

260714 松下誠子 新作展 (~7/26) @ 東邦画廊 (京橋三丁目)
(手、足、からだの線に嘘がないから、どんな描き方の絵もゾクッとくる。徹底して修行をなさったかたの強みだ。新作シリーズは、パラフィン紙で作った衣服の写真を焼きつけた紙に、木炭と色鉛筆で頭や手足、できごとを書き加える。数点まとめて購入したい衝動あり。昭和25年生まれ。)

260714 リターン展 ~あの作品をもう一度~ (~8/2) @ K392ギャラリー (京橋三丁目9-2)
(K's Gallery のあるビル1階のスペースまるごと、ほぼ1年間、K's Gallery で企画管理することになった由。K392 は、澤登丈夫さんの TS4312 に倣い住所表示から命名。リターン展は、前期・後期あわせて25名の作家所蔵の旧作展。)

260714 清水範男 個展 「アラビアン トワイライト」 (~7/19) @ Gallery うえすと (銀座一丁目)
(のぞき窓からLEDに照らされた裸婦が見える。鉛板のレリーフも使ったコラージュ作品「沐浴湖のヌレンナハール姫」を購入 (dek kvin mil)。)

260714 西村亨 人形展 『鎌倉より愛をこめて』 (~7/19) @ 柴田悦子画廊 (銀座一丁目)
(楽しくも、いけずな人形たち。「アメリカンヨカチン」「爆乳搾乳」「魔女」の三部作。工場楼閣の作り物は箸休めだそうだが、窓のなかに趣向を凝らすと一層面白いかも。)

260713 project N|57 塩川彩生(あやお) (~9/21) @ 東京オペラシティ アートギャラリー (西新宿三丁目)
(淡い。さまざまなポーズのバレリーナを淡い色で判子で押してから水彩と色鉛筆で描き足した作品は、欲しいな。昭和53年生まれ、多摩美版画卒、東京藝大版画 院修了。)

260713 収蔵品展|048 みずのすがた わが山河|Part V (~9/21) @ 東京オペラシティ アートギャラリー (西新宿三丁目)
(ぼくの苦手なジャンルの風景画だが、ここまでひたすら並べられると、作家ごとの目のフィルターの差異を楽しめる。)

260713 絵画の在りか the way of PAINTING (~9/21) @ 東京オペラシティ アートギャラリー (西新宿三丁目)
(22人展。観はじめは「VOCA展超えか!?」と感動したが、だんだん盛り下がる展覧会だった。いち押しは、政田(まさだ)武史さん、ゆらゆらとしたステンドグラスのような絵だ。鹿野震一郎さんもおもしろい。Primitive Art + Minimal Art + Shyness だな。八重樫ゆい さんの塗り見本のような小品は、色彩センスのよさを物語る。横野明日香さんのモノクロ画は、ダムをこう描いてきたかァ!と いささかの新鮮感あり。次の展開をどうするのだろう。このまま何作か描いたあとは急速に飽きられかねないが…。)

260713 コレクション展 カラフル ―中国・明清工藝の精華― (~7/13) @ 根津美術館 (南青山六丁目)
(根津美術館に初めて来た。ウルトラ出光美術館だ。6つの展示室。「カラフル」は、漆工藝、染付(“青花”)から五彩、粉彩、単色釉と。明代の「呉州青絵楼閣山水人物文皿」が新鮮に思えた。以下、展示室2は明清の大掛軸、3は石造の仏教彫刻、4は饕餮(とうてつ)文の青銅器、5は明清の絵巻(“画巻”)と画冊、6は茶道具。次は庭園も歩いてみたい。)

260711 徒然草 美術で楽しむ古典文学 (~7/21) @ サントリー美術館 (赤坂九丁目)
(17世紀後半の海北友雪(かいほう・ゆうせつ)「徒然草絵巻」20巻をサントリー美術館が購入した契機の、お披露目展。徒然絵というジャンルに納得するが、鼎かづきの男や木登りの図、障子張りの光景を探してしまう。色恋がない作品ゆえに、絵に華がないのは致し方なし。海北友雪の六曲一双「一の谷合戦図屏風」のデザイン性がモダン。天明屋 尚さんを思い出した。)

260711 飛び越える、道をつないで 進藤 環(たまき) (~8/9) @ ギャラリー・アートアンリミテッド (南青山一丁目)
(コラージュ写真といっても、進藤作品は見え見えの貼り絵ではなくて、いかにもありそうで ありえない風景を醸す。ありそうで、なさそうで、の境界線を巧みに歩きこなしているところがいい。昭和49年生まれ、武蔵美油絵 院修了。東京綜合写真専門学校第二学科修了。)

260711 岩渕華林(かりん) (~7/26) @ Gallery Tsubaki (京橋三丁目)
(レースの衣装、髪には花飾り。若い女性を描くが、悪い流行(はや)りに倣って、岩渕さんも女性の目を描かない。せっかく美しいはずの髪の毛が、光線の色彩処理を誤ったため白髪まじりのように見えてしまうのも残念。)

260711 北村奈津子 「ある願望のかたち」 (~7/26) @ Gallery Tsubaki/GT2 (京橋三丁目)
(個展ごとに全く新たなテーマで臨んできた作家が今回選んだのは「戦隊もの」。色とりどりのレンジャーの木彫人形や絵など。う~ん、創造性・想像性が羽ばたけたかどうか。)

260709 吉川雅基展 ―Black or Silver― (~7/12) @ アートスペース羅針盤 (京橋三丁目)
(銀箔地に漆黒のつややかな画面で、コントラストの強いモノクロ写真を浮かび上がらせる。昭和55年生まれ、多摩美日本画 院修了。)

260708 長尾ふみ展 (~7/12) @ ぎゃらりぃ朋 (銀座一丁目)
(色彩感覚のいいひと。写実は、小品は完成度が高いが、大画面の勝負では観察不足が細部に散見する。精進してどんどん伸びてほしい。昭和63年生まれ、大阪成蹊大 院修了。)

260708 中澤 真(しん)個展 (~7/12) @ Gallery 銀座フォレスト (銀座一丁目)
(豊かな唇で おでこちゃんの肉感的な女の子を描く。SF仕立てや妖術仕立てでイラストっぽく仕上げているけど、女の子のキャラの完成度が高いから、純粋ヌード画で勝負してみたらいいのでは? 宮城県多賀城市でアートカフェを経営している油画作家。)

260708 横田 海(かい)展 ―2014章― (~7/19) @ Gallery Goto (銀座一丁目)
(昭和9年生まれで麻生三郎に師事し洲之内徹に評価された。大家ということで、なるほど色彩と構成はいいが、本人がアイデンティティと心得ているパレットナイフによる引っ掻きがしつこくてノイズになってしまった。)

260708 marisa shimamoto: someday, somewhere (~7/21) @ Pola Museum Annex (銀座一丁目)
(嶋本麻利沙さんの写真展。ぱしゃぱしゃと撮影した中から真っ先に捨てるであろうようなショットを集めた感じ。何気ない日常のひとコマすぎて、メッセージは読み取れなかった。昭和55年生まれ、米国で写真修業。)

260708 倖子(さちこ)の墨の絵展 出逢い (~7/13) @ Oギャラリー (銀座一丁目)
(リズミカルな墨と黒ずんだ銀箔で、絵本のページのような作品。)

260707 柴田忠文展 ―天地玄黄 宇宙洪荒― (~7/12) @ 養清堂画廊 (銀座五丁目)
(幾種類かの墨と紙が、化学反応を起こしているかのような錯覚にとらわれた。)

260707 高見基秀 個展 (~7/12) @ Niche Gallery (銀座三丁目)
(湖畔の森に立つ裸婦の後ろ姿の DM が大いに期待感を高めたが、水に映るシルエットにウソがあり興ざめ。せっかく無人の自然界にいながら、わざわざ下着をつけさせているのも、どんなものかね。テーマも構図も色彩もいいのだが、モノの長さがデタラメだったり、影の位置がおかしいとか、うかつな初歩的ウソがやたら目につくのが残念。修業したら、いい絵が描けるひとだ。)

260707 アンデルセン大好き (~7/5) @ ギャラリー枝香庵 (銀座三丁目)
(御子柴大三さんのキュレーションによる22人展。)

260704 現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより Guess What? Hardcore Contemporary Art's Truly a World Treasure: Selected Works from the YAGEO Foundation Collection (~8/24) @ 東京国立近代美術館 (北の丸公園)
(台湾の陳泰銘(Pierre Chen)氏が主宰する国巨基金会(ヤゲオ財団)のコレクション。高レベルかつヴァラエティに富む現代アート展だ。ポスターやちらしの金ピカの「ミニチュアのヴィーナス」は最後のコーナーにあって、意外にも高さ30センチと小ぶり。ぼくが激しく気に入ったのは、Peter Doig “Canoe - Lake” だ。金色に輝く水面のミドリ青のカヌーから身を起こすゾンビのような存在は世紀を超えた謎。そのすぐ左の Marlene Dumas “Young Boys” は20人の ふりチンの少年たちが描き分けられて、その存在感と言ったら! 明治34年 四川省生まれの常玉(Sanyu)の色とかたちは、深いところから多様に花開いていて、画集が欲しくなった。趙無極(Zao Wou-Ki)も作品ごとに発見のタネが渦巻いている。)

260703 巧術 デパート・リミックス・其之貳 (~7/8) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊X
(日本の細やかな工藝を支える「技巧」に注目した「巧術」というキーワードでもって、これまでの現代「美術」とは一線を画した、新しい価値観の創造を目指そうという志だ。昭和43年生まれ、東京藝大 院修了の あるがせいじ さんの「世界地図」は、海のところだけ、あるいは陸のところだけ貼り合わせた別世界の地図だ。昭和47年生まれの井上裕起さんの Salamander [OIRAN] は平成22年作品、むかし八重洲二丁目の和田画廊で見たものだ。)

260703 門坂 流(かどさか・りゅう)展 線/刻/描 (~7/12) @ 不忍画廊 (日本橋三丁目)
(門坂流さんは平成22年に青木画廊でお見かけしたことがある。風景の光と影をここまで丹念に細密な描線に分解できるものかと気が遠くなる思いだった。その門坂さんが今年4月3日に亡くなられた。本展の作品中、ぼくの気に入りは水流でも桜の樹でもなく、鉱物の結晶をビュランで描きとったものだ。)

260702 後藤温子個展 『みんなまやかし』 (~7/8) @ 銀座三越8階 アートスペース∞ (銀座四丁目)
(せっかくの丹念な作画の興を削ぐ描きすぎが残念。その意味で、小川香織さんに似たところがある。後藤温子さんとしては技のほどを見せたかったのかもしれないが、余計な水滴を描き加えて写実の技を見せたところで第三者から見ればノイズでしかない。そこに気がついてほしいんだけどなぁ。)

260702 Felix Vallotton: Le Feu sous la glace ヴァロットン ― 冷たい炎の画家 (~9/23) @ 三菱一号館美術館 (丸の内二丁目)
(精密な写実、劇的幻想とりわけ裸婦の、そして温かくも鋭いまなざしの感じられる木版画と、3つの天地をもっているのが、天賦の才の証明。裸婦は純粋美として昇華しているし、演劇の奥行を感じさせる人物描写も変化に富んでいる。Edward Hopper と並び、ぼくの心の殿堂入りだ。Vallotton の画集を集めてみよう。)

260701 Darcy the Flying Hedgehog ハリネズミのダーシー展 (~7/19) @ ヴァニラ画廊 B Gallery (銀座八丁目)
(微妙に顔がつぶれているところが、一層のかわいさにつながっているのかな。長女に渡せば心の癒しになるかと思い写真集も買った。)

260701 納涼特別企画 アイスクリーム ぱけこれ! 荒井良 ~平成ナントナクコレクション~ (~7/19) @ ヴァニラ画廊 A Gallery (銀座八丁目)
(ドクターストップが出るまで各種のアイスクリームを食いまくり、袋やパッケージを集め、段ボール箱に保管するうち10箱を超えた、その成果の展示ではありますが、気のきいた編集がないのでまったくおもしろくなかった。)

260701 たんざく展 IV Pray For Our Future (~7/12) @ art data bank (銀座七丁目)
(60名以上の作家が、短冊フォーマットの絵画を寄せた。「短冊」 はあくまでサイズの指標であり、パネル上の油画や立体コラージュもちらほら。「サムホール判」 という指標に対抗する日本発のサイズとして盛り上げていけば、おもしろい展開になるかも。伊勢丹新宿店本館5階アートギャラリーでもタイアップ企画をほぼ同時開催。企画は、八犬堂×Katsumi Yamato Gallery×見参で、Tagboat でウェブ販売も実施している。)

260701 没後90年 鉄斎 Tessai (~8/3) @ 出光美術館 (丸の内三丁目)
(40代の絵は武者小路実篤ふう、50代の絵は構図の諧謔、そして80代の山水画に渾身のエネルギーが吹き上がる。)


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